小学3年生になると
今度は、本校へ通学することになる。
本校生と合流するのだ。
分校時代も時々は本校へ登校する日があって
本校生に因縁をつけられて
胸ぐらを掴まれたことがあった。
僕はおそらく
「ガン飛ばし」
てたのかも知れない。
僕は、無意識に
人の顔をジロジロ見てしまう癖があって
それが
「ガン飛ばし」
ているように見えるのだろう。
睨んでいるわけではないが
人によっては睨んでいるように
見えてしまうのだろう・・・
本校生と合流し
同級生の顔と名前を覚えていくことになる。
分校には体育館がなかったので
隣の集落センターのホールで
そこでダンスなどの
体育っぽいことをしていたが
今度は学校の体育館だ。
跳び箱やマットなどもある。
しかも
集落センターに比べると床が頑丈で
飛び跳ねても床はビクともしない。
当たり前だけど。
隣のクラスの担任の先生は
新任の先生で
学校におもちゃを持ってきて
遊んでもいいという
斬新なことをする先生だなと
隣のクラスがうらやましかった。
超合金の
バトロイドバルキリーで
遊んでいる子もいた。
バトロイドバルキリー
3段階に変形する
戦闘ロボットのことで
とてもうらやましかった。
しばらくして
隣のクラスはおもちゃで遊ばなくなった。
どうやら
学校側から新任の先生に
指導が入ったのかも知れない。
図工の時間に
デパートの紙袋で洋服を作る授業があった。
どんなデザインがいいか考えていたけど
なかなか思いつかない・・・
ふと
当時
「ナウい」
っていう流行り言葉が
頭をよぎって
そこからサクサクとアイデアが浮かんで
僕なりの
デパートの紙袋製
「ナウい服」
が出来たのである。
僕の頭の中って
個性が爆発しているみたいで
おしゃれというよりも
インパクトのあるデザインに
仕上がっていたと思う。
図工の時間は絵画もあったが
僕はどっちかというと
絵を描くことよりも
切ったり貼ったり
こねたり盛ったり
しながら
作品を作る方が好きで
つまりそれは
立体を作ることが好きなのである。
リアル感のあるものが好き。
動くものが好き。
友達のTの家が建築業で
Tは手先が器用で繊細な作業がうまくて
夏休みの図工の作品を見ても
建築っぽい直線基調で素晴らしかった。
きっとTは設計図を作って
設計図に沿って作ったに違いない。
でないと
あれほどの完成度は出ないはず。
僕は、頭で思いついたままに
作業を進めていくので
作業は雑だしおおざっぱだ。
Tも僕も個性的ではあるし
僕がTのようになる必要もないけど
やっぱり
設計図はあったほうが
作業の効率はいい。
今は、何かを作るときには
設計図を書くようにしている。
なぜなら僕は
設計者だからだ。
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