アレの正体

人生

S君の家に遊びに行くと

家の中にはガンダムのプラモデルがあったり

車庫に行くと

衝撃のアレがあったのだ。

ネットで調べると

「フラッシャー付き自転車」
「スーパーカー自転車」
「ジュニアスポーツ自転車」

など

となっているが

それが目の前あるのだ!

しかも

ライトがスイッチオンで、パカッと開くやつ。

ライトの開く動きもかっこいいし、開く時の音よ。

モーターの音が

「ウィーン」

と鳴って

いかにもメカっぽいではないか!

当時は
スーパーカーブームだったのもあって

ランボルギーニ カウンタック

に憧れていたものあって

自転車だけど

ライトのパカッと開く動きが

カウンタックのライトを連想させたのだ。

ライトの他にも

ハンドルポストとサドル(椅子)の間が
パイプでつながっていて

そのパイプの上に

5段式の変速機レバーが付いているのだ。

これがまた
自動車のシフトレバーっぽくてカッコいい!

少年の心を揺さぶるギミック満載なのだ!

ちなみにこの自転車は
S君のお兄さんのもので

小学2年生の僕たちには
自転車にまたがっても

足が地面に届かないのであった・・・

今乗るとなったら

いろんな装備が
デコレーションのように付いていて
ゴチャゴチャしていて

恥ずかしくて乗れないが

昭和の技術者たちの技術の結晶である。

現代に、この自転車を復刻させるとしたら

スマホと連携してライトを点灯させたり

LEDの装飾が光ったり

バッテリーを装備して

ママチャリのように、軽く漕ぐだけで

グングン加速したり

便利で機能的でスタイリッシュ
な自転車になりそうだ。

僕はこの自転車のことを

「切替え自転車」

と呼んでいた。

いつか僕も切替自転車に乗りたい!

そう夢に思うのであった。

だいぶ先のことになるが、

小学5年生になったとき
父親がどこからか

その

「切替え自転車」

を買ってきてくれたのか
または
誰かのお下がりなのかは不明だが

僕に持ってきてくれたのだ。

夢が叶った瞬間であった。

S君宅にあったような
かっこいいやつではなかったけども

5段変速の切替えレバーが
ちゃんと付いている自転車だ。

僕はとても嬉しかった!

この時は、父親の愛情をもらった
ような気持ちになれたのだ。

ここからは、僕のこだわりになるが

僕は止まっているものよりも

動いているものの方が好きで

例えば

◯◯◯コレクションとか

往年の名車など

展示品を見たりすることもあるのだが

言い方悪いけど

動いてナンボである。

見るだけじゃ物足りない。

目で姿を見て

耳で音を聞いて

オイルや排気ガスの匂いをかいで

ボディを触ることができたら
振動を感じて

そうやって

4感で感じることの方が好きなのである。

だから

僕も大人になって

かっこいいに乗ってドライブしたい!

という夢を持つようになるのである。

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