左腕ばかり

人生

缶切りを使って
桃の缶詰を開けることができた僕は

パイナップルやみかんの缶詰も制覇し

シロップまで飲み干す

ちょっと

何考えてるかワカラナイ

変わった子供だった。

シロップって糖分なので
ジュース感覚で
小さい子供が大量に飲むと・・・

今考えると

何かしらの病気になってもおかしくない
はずだったけども

すでに40年以上が経っているし
身体は健康である。

そのことには感謝している。

僕の記憶にはないけども

栄養のある食事を食べさせて
もらっていたんだと思う。

僕はいつも祖母と一緒に過ごしていた。

祖父はというと

よく怒っていた記憶しかない・・・

人間誰しも
怒っている人のそばには
近づきたくないもので

僕が何か悪さをしたら
当然のように怒っている
祖父の顔が目に浮かぶ。

ある日、妹と一緒に
畑で、段ボールに穴を開ける遊びを
していた時のこと。

手には
草刈り鎌を持って。

その草刈り鎌で

段ボールに穴を開けて遊んでいたのだ。

ご存知の通り
刃物である。

それを振り回していたんだから
一歩間違えば・・・

そして、一歩間違えて

妹が持つ鎌のその刃先は

僕の左腕に刺さったのである。

痛かったはずなのに
痛みは覚えていなくて

とにかく血が大量に出ていたのと

祖父に、しこたま怒られたこと。

すぐさま母親の勤める病院へ行き、
数針縫う処置を受けたのだ。

母親は、職業柄
怪我をした患者を何人も診ているので

怪我の具合からして
動揺していなかったと思う。

今でもその時の傷は左腕に残っている。

怪我はほかにもあって

幼稚園でのこと

コンクリートの斜面に沿って
ロープが張ってあり

ロープを持って斜面を上がり
また降りてくる遊びをしていた時のこと。

降りようとした時にロープから手が
離れてしまい

そのまま斜面から滑り落ちて
しまったのだ。

その瞬間

左肩に激痛が。

今度は痛みを覚えている。

病院で知ったのだが
左肩を脱臼してしまったのだ。

幸い、骨折はしなかったけども

治るまで、三角巾で手を吊って
過ごしていた。

脱臼が治ったあとは

今度は

一斗缶のフタが開いていたところに
左腕を突っ込むという

謎の動きをした時に

缶のフタのフチで
左腕の甲を切ってしまった。

また左腕

なぜか怪我をするのはいつも左腕ばかり。

左腕の甲には
ミミズが這ったような傷がある。

もしかして

何かに取り憑かれているのかも・・・

幼い僕にはまだ
霊的なことは理解できていない年齢だ。

子供って

好奇心の塊だから

危険なこともまだ予測できないし
本能のまま行動して
しまうんだと思う。

常に大人がそばにいて

子供の行動を監視して

大人が注意や
補助をしてあげることで

少なくとも
怪我は予防できるはず。

僕の育った時代は
まだ放置主義、放任主義が
普通な時代だったんだろうなぁ。

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