暴力事件

人生

中学生になった僕は
頭を丸刈りにした。

正確には
小学校の卒業式で
既に丸刈りだったのである。

中学校では丸刈りが校則となっていて
男子は例外なく強制的に丸刈りである。

そして
男子は段々と声変わりしていくのである。

中学校は
東地区の生徒達とも合流して
東西合わせて90人くらいいた。

東地区の生徒達は

僕がイヤイヤ行かされていた
ドッジボールの練習で
顔を知っている子がいたし

幼稚園で一緒だった子もいた。

全部で4クラス
1クラス30人

あれ?

東西合わせて90人

1クラス30人×4クラスで
120人いないとおかしいぞ・・・

あと30人足らない。

卒業アルバムを見れば
すぐにわかるけども
実家に置いてきたし

記憶というのは
曖昧なものである。

中学生になると
英語の授業が始まる。

ローマ字は小学4年生の時に
習っていたので

アルファベットには慣れていた。

英語は得意だったのだ。

日本人の英語教育は
文法ありきな気がするけど

僕は文法はよくわからない。

表現が難しいのだが、
感覚やリズムで覚えているような
感じだ。

それともうひとつ

漢字が得意だった。

だったと過去形なのは

大人になって
英語も全然使わないし
漢字もコンピュータまかせである。

普段の生活で使ってナンボである。

「使ってナンボ」

「生かせてナンボ」

ある意味人生哲学とも言える。

英語や漢字に限らず

学んだことはこの
人生哲学に当てはまる。

 

この時代は

「ビーバップハイスクール」

に影響されて

数人の男子は不良化していて

「2年にムカつくやつのおるけん、ボタうちすっぞ」

と言って

2年生の数名を呼び出して
ケンカをしたのである。

実は僕にもケンカに参加するように
言われたが

腕っぷしの弱い僕は
ケンカに勝てんということで

見張り役をすることになった。

校舎の用具室だったかな。

机や椅子が保管してある部屋があって
その部屋の戸の隙間から

ケンカの様子をチラチラと見ていた。

同級生のKのパンチが2年生の
顔にヒットしたのが見えた。

ヒャァ

マジでケンカしているよ。

ヤバイヤバイ。

何がヤバイって
先生たちに見つかると

修羅場と化すぞ。

僕は傍観者の立場で
ハラハラドキドキしていた。

ケンカが終わり、教室に戻ると

突然、ガタイのデカい2年生が
怖い形相でやって来て

「ケンカ売ったと、だいにゃ!出てこい!」

近くにいた同級生に近づき

「わいにゃ!」

「なんばナメたごとしよっとにゃ!」

って言ったかと思うと

同級生がガタイのいい2年生に
顔を殴られて
勢いよく鼻血が噴き出たのである。

恐ろしや。

流血や。

僕は傍観者の如く

無関係者を装って
しらばっくれるしかなかった。

しかし

このケンカが、先生たちにバレて

ケンカをした生徒は
視聴覚室で先生たちに
尋問と制裁を受けたらしい。

僕は見張り役で

手を汚していないから

視聴覚室に呼ばれることはなかった。

先生たちも生徒には
手を出す時代だったので

ゲンコツやビンタ
張り倒しなど
体罰と言えるほどの制裁が
当たり前だった。

この件は、暴力事件として
校外へもリークされたらしい。

中学生になって間もない時期に
起きた事件である。

なんと生意気な1年坊主たち。

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