裏切り者

人生

小学2年生の頃、テレビ番組では

戦隊ヒーローものが流行っていたらしい。

らしい。というのは

僕の家では、民放はフジテレビとTBSしか
観ることができず

他の民放では、戦隊ヒーローものやアニメなど
子供が好きな番組が放送されていた。

休み時間になると

その
戦隊ヒーローごっこが始まるのである。

赤は〇〇
青は〇〇
黄色は〇〇

僕は・・・

全然話についていけない・・・

僕は

仲間はずれ

になったのである。

仮に仲間に入れてもらったとしても
戦隊ヒーローの敵役である。

戦隊ヒーローごっこの間は

「除隊」し

じっと我慢するしかなかったのだ。

子供ながらに味わう

屈辱

家に帰って

なんでうちは他のテレビ番組は映らんと!?

って親に言いたかったが

言えず・・・

その代わりに

ふてくされた態度をとったりと
子供らしく反抗しているつもりだった。

その頃は、伝説の2番組

フジテレビ系では

オレたちひょうきん族

TBS系では

8時だョ!全員集合

どっちかの派に分かれることになるのだが

うちは
アンチひょうきん族ということで

全員集合を観ることになっていた。

生放送でコントである。
今思うとすごい番組だ。

NGもなかったしね。

観客も

「志村ぁ〜、後ろぉ〜」

とか

演者と観客の一体感のある番組だった。

コントが終われば
バンド演奏と共にステージが回転して
ゲストの歌手が歌を歌う流れ。

ヒゲダンスが好きだった。

セリフなしで笑いを取れるところがすごい!

面白い番組だったな。

娯楽といえば
テレビ番組だったもの。

もっとたくさんのチャンネルで

周りのみんなと
情報共有したかった・・・

今なら
DVDやYouTubeで観ることができるけど

やっぱりあの時代にリアルタイムで観ないとね。

戦隊ヒーローものは、男の子にとっては憧れ。

子供向け番組でも

本物の火薬を使って、爆破シーンとか
番組制作にお金かけてたな。

迫力あったもん。

あと、今も定番の?
警察もの

いつも思うのは

刑事が犯人を追いかけるシーンで

刑事が

「待てぇ〜」

って言うじゃん。

逃げているんだから
待つわけないのに(笑)

プロの脚本家でも
適当なセリフは思いつかなかったんだろうか。

僕だったら

「逃げ切れるもんなら逃げてみろ」

って言うかな。

俊足かっ飛ばして
犯人の背後に飛び蹴りかますかな。

イメージだからね。

実際できるかどうかはやってみないと。

仲間はずれで、究極に屈辱だったのは

町内子供連盟が開催する、ドッジボール大会で
町内の数十地区でトーナメントをやっていたのだが

小学校は東西に分かれていて

僕は
家は東校区、通学は西校区

という、ややこしい立ち位置で

僕は、父親によって
東校区のチームへ無理やり
練習に連れていかれ

周りの子たちと馴染めず
それでも僕一人で帰ることもできず
嫌々ドッジボールをやらされた。

ボールが取れなければ怒られて

一体僕はなんのために
やりたくもないドッジボールを
やらされているんだろう

と完全に受け身。

父親に行きたくないと言ったが

「行きとうなかって、あーもんか!」

と言われる始末。

そしてドッジボール大会当日。

僕が行きたかった西地区のチームの
上級生たちに見つかり

「裏切り者ぉ!」

罵られて
僕の心は深く傷ついた。

しかし

僕のいるチームはどんどん勝ち上がっていき

ついに決勝。

相手は

僕が罵られた西地区のチーム。

相手は強く

僕はコート内を逃げ回ったが
ついにボールを当てられ

敗戦・・・

その瞬間

罵られた屈辱と、負けた悔しさ
みっともなさ、寂しさ

色んな感情が溢れ出て

その場で、人目もはばからず
泣き崩れたのである。

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